仙台2011.5

東日本大震災から2カ月が経過しました。

大切な命を失った方々のご冥福をお祈りし、被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げます。

 被災地の悲しみは想像を絶します。被災地の苦労はこれからも続くのです。復興は長くてつらい道のりです。被災にあわれた方も、被災していない大勢の人にとっても、あの日を境にして何かが変わりました。自分の存在価値、自分が生きる意味、家族とは、本当に大切なものとは、幸せとは何かを皆がじっくりと考えました。

 津波に子と孫をさらわれた老人がつぶやく。「自分も一緒に流された方が幸せだった」と。悲しくても人は生きています。避難所にいる老人たちの肩をたたく子供たち。彼らの親も津波で流されたと聞き愕然とします。それでも人は懸命に生きています。肩たたきが終わった老人が子供たちにありがとうと涙を流す。子供たちが涙を流しながら笑顔で答える。人は人の役に立つ事で生きる希望となります。人にありがとうと言われる人は幸せです。人にありがとうと言える人は美しい。人は社会に役立っていると実感する事で生きることが楽しくなるのです。

 被災地には言葉では語り尽くせない力がありました。その力は、圧倒的な悲しみを乗り越えようとする人々の心なのだと思います。私たちは、私たちにできる支援をこれからも続けます。

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© 太刀川 史郎 2013